豊英島相対照度調査結果
調査日時:2006.6.18.10:30〜11:30、9.17.10:00〜11:00、天候:曇り
使用機材:照度計(トプコンIM-3、トランシーバー)、開放地:橋の上、林内:18箇所(各点で10回ずつ測定)
植物の成長にとって重要な林内の光環境は、一般的に相対照度(林内の照度/開放地の照度)で表します。相対照度が5%以下では林床植生はほとんどなくなり、多くの林床植物を導入し生物多様性を豊かにするためには30%程度の明るさが必要となります。ただし、注意しなければいけないのは、暗い場所でなければ他の植物に被圧され生きていけない植物もあるということです。光環境の管理は、保全したい植物がどの程度の明るさを好むかということを考える必要があります。
島内で最も明るかったのは、千年広場とコナラ更新林で30%を越えていました。次に明るいのは千年広場近くのほだ場で13%、他の測定地はすべて10%未満と暗くなっていました。
今回測定したスハマソウのある北斜面、尾根、ほこら山は、高木層に常緑広葉樹が多く相対照度は全体に低めでした。また、巨木林は5〜10%程度で、着葉期の落葉広葉樹林としてはやや暗めでした。巨木林の林床に多様な植物を導入しようとする場合は、高木層の間伐により林内の光環境を改善する必要があります。